気候変動に対応した雨水排水対策を
近年、地球温暖化に伴う気候変動により予想を超える甚大な災害が多発し、多くの被害を出しています。特に降雨に関してこれまでの常識が通用しなくなってきており、早急な措置を講ずる必要があると感じています。さきの台風19号においてもわかるように、東北地方においても台風の直接的な被害が多発し始めています。これら近年の気候変動を踏まえた本町の雨水排水対策について、以下伺います。
- 町内水路の整備管理状況は、老朽化も含めどのようになっているのか。
- ここ数年、短時間での降雨量が多くなるなど、これまでの降雨状況とは変化してきています。さらには、この状況が当たり前になっていくのではないかとも危惧しています。町は、今後どのような対策を考えているのか伺います。
- 本町を流れる白石川は、阿武隈川に合流しています。大雨時、阿武隈川の水位が高くなるので、当然、白石川も水位が高くなり流れがとまってしまいます。白石川に合流している荒川、字新巻で荒川に合流している堀についても同様であります。本町のみが浚渫などの策を講じても、根本的な解決にはならないと考えます。河川を有する市町が合同で国や県に対策の陳情を行う必要があるのではないか。
- 近年、本町は住宅建築が増加しています。それに伴い、町なかの田んぼや畑が埋め立てられ舗装で覆われる面積がふえていると思います。
台風19号襲来時、消防団で警戒出動していた20時30分ごろ、大河原町郵便局ATMに水が流れ込み、職員や警備会社が土のうを積んでいる光景を見ました。また、役場庁舎近隣道路も側溝があふれ十数センチの水位がありました。役場庁舎近隣だけでも埋め立てが進んでいます。これも被害を拡大する要因の一つではないかと考えます。
- 宮城県の防災調整池設置指導要綱を確認すると、平成4年4月1日策定、平成8年1月に改訂されて以来、更新されていません。平成27年12月9日、宮城県議会一般質問にて自由民主党の佐々木幸士県議が質問し、土木部長が当時、来年度をめどに新しい降雨強度式を採用する、技術指針案などを参考に県の指導要綱の見直しを行うと答弁しています。しかしながら、現在も改訂されておりません。
防災調整池設置指導要綱3ページ第3章に防災調整池の計画の基準があります。設置する場所、区分が平地部、丘陵部とありますが、もっと宮城県内を細分化すべきと考えます。さらに50分の1降雨強度式、30分の1降雨強度式が採用されていますが、毎年、台風が大型化している現在にそぐわない基準と考えています。本町としても、県へ早急な見直しの要望を行うべきではないか。
- 福島県や千葉県では、雨水流出抑制対策としての雨水貯留施設設置に取り組んでいます。さまざまな場所に調整池を設置し、流出に時間差を設け、被害を少なくしています。近隣では、柴田町槻木生月土地区画整理事業において、地下に滞水材を使用した容量1,275トンの貯水槽を設置しています。本町においても、大中体育館建てかえの際、地下空間貯留を設置したり、グラウンド、公園など、まずは公共施設用地の地下に貯留施設を設ける検討をしてはどうか伺います。
- ⑵に関連して、福島県では県や市町が独自に防災調整池設置の条例を設けています。土地の開発時、舗装化などで流出量がふえるのは企業の責任で策を講じる考え方であります。分譲、兼用住宅、店舗等についても適用されており、コンビニエンスストアくらいの規模で設置しています。本町も関係担当課でチームを設置し、検討してはどうか伺います。